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お世話になっております!OMソーラー・マーケティング部のかつのです!
(普段は住宅会社さま向けにコラムを書いていますが、初めてこちらのブログに投稿いたします。最後までご一読いただけますと幸いです。)
大手ハウスメーカーのコマーシャルでも急激に取り上げられるようになった「全館空調」。
弊社にも大変多くのお問い合わせが寄せられておりますが、それに加えて増えているのが「換気」です。
具体的なところで言うと「全館空調って“換気”はできますか?」。
同様の疑問をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
本日、ご紹介しますコラムでは弊社製品の開発責任者でもあり、公益社団法人 空気調和・衛生工学会にも数多くの論文を寄稿する研究開発部・部長の盧炫佑(ノ ヒョンウ)を直撃取材して全館空調と換気について根掘り葉掘り聞いてみたいと思います。
目次
5. 全館空調システムを採用している場合は窓を開けてもいい?
6. まとめ
『全館空調』をどのように定義しますか?
かつの
盧さん、改めてまして今日はよろしくお願いいたします。
盧
どんな質問にも答えますよ!
かつの
ありがとうございます。では早速。
ズバリ全館空調ってなんですか?
盧
まさに言葉のとおりです。
『全館空調』とは家全体の空間(全館)を空調することを言います。
また、学術的に全館空調は、
・中央集中型(セントラル空調)
・個別分散型(ルームエアコン)
の2つの方式に分けることができます。
具体的には、
・中央集中型(セントラル空調)
主にダクトを経由して温風または冷風を室内に供給し、空調する方式です。ダクト式とも言われています。
・個別分散型(ルームエアコン)
各部屋にルームエアコンをそれぞれ設置して、家全体を空調する方式です。
ちなみに、かつのくんも知っているように、OMの製品は確実に全館空調ができる方法として中央集中型(セントラル空調)を採用しています。
では、個別分散型にメリットがないのかと言うとそうではありません。
専門的な知識がいらないというのがメリットで、言い換えるならただ「つければいいだけ」となります。
しかし、仮に個別分散型で全館空調をやろうとしても、 家の中は必ず用途にあわせて仕切られています ので、そのすべての場所且つそれぞれに適切な容量のエアコンを設置することは現実的ではありません。
また、それらを 同時に運転 することも現実的ではありませんよね。
なぜなら、家の中は部屋だけではなく、 トイレや脱衣室はもちろん、ウォークインクローゼットや廊下もあるから です。
かつの
さすが、盧さん!いきなり1問目からズバリの回答、ありがとうございます!!
それでは、次の質問にまいりたいと思います。
空調=空気調和って何ですか?
かつの
今回のインタビューを前に私なりに「空調」という言葉の意味を調べてみましたが、「空気調和」という言葉がヒットしました。どういう意味でしょうか。
盧
空気調和はエアコンディショニングを訳したもので、定義が決まっています。
その定義には、人を対象にするものと、物を対象にするものに分けられていて、私たちが一般的に言うのは、人を対象にしたものとなります。
わかりやすく言うと、人にとって快適な環境を作ることが目的です。
具体的には、空調の対象室の室内温度、湿度、気流、空気質(細菌、ホコリ、臭気など)を整えることを指しています。
かつの
なるほど、なるほど。 空調って冷房や暖房だけじゃない んですね!
わかったようなわかっていないような何となくスッキリしないポイントがここにあるような気がします。
では、どんどんまいりましょう!次の質問です。
空調と換気は別物なんですか?
かつの
先ほどの空調の中に換気という言葉が入っておりませんが、 空調と換気は別物 と考えてよろしいでしょうか。
盧
なるほど、そういう観点だったんですね!正直かつのくんが何を言っているのかわかりませんでした。
では、 空調と換気は別物 ?についてですが、答えはNOです。
本来であれば、空調の中には換気も含まれていて、 換気ができないものは空調とは言えません。
なぜなら、先ほどもお伝えしたように空調は温度や湿度、それに空気質も整えるからです。
わかりやすく言うと、空調を分解するなら
- 冷房
- 暖房
- 換気
の3つの構成になります。
さらに付け加えるのであれば、 換気は家の外と中の空気を入れ替えること を言います。
つまり、 換気は空調で処理しなければならない ということです。
しかし、家の中に外の空気を取り入れるということは部屋の温度や湿度に影響を及ぼすため、冷房や暖房の負荷が増えてしまうということになります。
ちなみに、オフィスビルなどでは換気設備も一体化された空調機(AHU)でセントラル空調を行うことが多い一方、住宅では 空調と換気を別々の設備として設置しているケースが多い ですが、OMXは空調と換気が一体化されていますので、まさに住宅に特化したセントラル空調機と呼べます。
かつの
明快な回答ですね!
全館空調システムと謳う以上、 換気機能が含まれていなければ、それは全館空調システムとは言えない ということがよくわかりました。
そして、次の質問もダイレクトにお聞きします。
全館空調システムには第1種?第3種?
かつの
全館空調システムを採用した場合、換気システムは第1種と第3種、どちらを選べばよろしいでしょうか。
What’s換気方式?
第1種換気方式:給気 ▶︎ 機械 / 排気 ▶︎ 機械
家の中に空気を取り入れる時も外に出すときも、ファンなどの空調機器をつかって制御する方式です。換気量をコントロールしやすいです。
第3種換気方式:給気 ▶︎ 自然 / 排気 ▶︎ 機械
家の中に空気を取り入れる時は窓を開けたり隙間から入ってきたりしますが、外に出すときだけはファンなどの空調機器を使って制御する方式です。第1種に比べ換気量のコントロールがしにくくなります。
盧
第1種全熱交換換気 です!
かつの
まさにズバリの回答!
ただ、第1種に「全熱交換」という言葉が加わりましたね。
盧
はい。
なぜなら、第1種換気の場合、第3種換気と同じように 外の空気を整えないまま 、家の中に入れてしまうので、昨今の高断熱・高気密住宅では、より顕著に外の空気が入ってくる箇所の付近を不快に感じてしまうことがあるんです。
かつの
わかります!
わが家では、第3種換気を採用しておりますが、外の空気が入ってくるところがスースーするようなあの感じ…あれ、不快なんですよね。
盧
一方、夏の場合はジメジメした空気がそこから家の中に入ってきてしまうので、その湿気を含んだ空気がエアコンで冷やされ、床や壁が 結露してしまうこともある んです。
ということを踏まえ、ますます第1種全熱交換換気が全館空調システムには相応しいということになります。
せっかく全館空調システムで快適な空間を作っているのに、換気一つで不快な場所を作る必要はないということです。
しかも、おまけに省エネ。
具体的には第1種全熱交換換気を入れることで、 冷暖房の負荷になる換気負荷を8〜9割減らす ことができるんです。
かつの
もうここまで聞くと、全館空調の換気には第1種全熱交換換気が不可欠であることが理解できました。
そして、最後の質問です。
全館空調システムを採用している場合は窓を開けてもいい?
かつの
冬場、布団を畳む時など部屋の空気を入れ替えたい時に窓を開けたいと考えています。
全館空調システムを採用している場合は窓を開けないほうがいいでしょうか。
盧
窓を開けても問題ありません。
しかし、換気設備が入っているという前提で言えば、布団を畳むぐらいなら窓を開けなくても問題ありません。
ただし、窓を開けるのであれば、その部屋だけにすることをおすすめします。
要するに対象の部屋だけで完結させるということです。
なぜなら、ほこりが発生する発生元からダイレクト且つ短時間で外に排出することができるからです。
かつの
ちなみに、窓を開けたくなる気持ちがいい気候の春や秋はどのようにお考えでしょうか。
盧
こちらも同様に換気設備が入っているという前提ですが、何もする必要はないけど、窓を開けても問題ありません、というのが答えになります。
ただし、春と秋は朝昼晩の寒暖差が大きいので、健康に害がないようにご自身で調整することが大事になります。
ちなみに、窓の開閉が面倒な方もいらっしゃるかと思いますが、そもそも換気はできていますので、特に大きな問題はありません。
かつの
なるほど、ありがとうございます。質問は以上になります。
OMソーラーの社員でありながら、改めて全館空調と換気を整理することができました。
このコラムを執筆している時点でもわが家には研究開発チームのスタッフが来て、集塵試験という何やら難しい試験を行っていますが、これからも盧さんをはじめとする同チームの仕事に期待しています。
本日はありがとうございました!
追伸
インタビュー後に盧より手渡しされた直筆メモ。
国の評価においても「住戸全体を暖冷房」(即ち、全館空調)は「ダクト式セントラル空調機で、ヒートポンプを熱源とするもの」のみと定義しているということが書かれていました。
まとめ
わかっているようで実はわかっていなかった全館空調と換気について開発責任者の盧にインタビューした本コラム、いかがでしたでしょうか。
私自身も勉強になったことはもちろんのこと、これから家づくりをはじめる方にも参考になったかと思います。
「全館空調システムを採用するなら第1種全熱交換換気!」
もうこの言葉を合言葉にしたいぐらいに盧の熱量を感じることができました。
弊社では、特許を取得した「PAtH」という商品も取り扱っております。
もし良ければ、こちらもご覧いただけますと幸いです。
全熱交換換気システム「PAtH」についてはこちら
▼OMソーラー製品についてさらに詳しくはこちら
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